【薄く 永く】

仕事の世界では、「細く永くお付き合いさせていただきたい」は良い言葉でした。
今はIT化等による変化が激しいので「太く短いお付き合い」も増えています・・・。

週末に、日本各地から大工さんが集まって「全国削ろう会 森の京都亀岡大会」が
亀岡市の体育館で開催されました。
下手な日曜大工が好きな私は、憧れの技を見に行くことにしました。
とても沢山の職人さんが集まって、木をカンナ(鉋)で削って「薄さ」を競い合い
ながら、楽しそうに動いていました。

会場の周囲には、鉋(カンナ)・鋸(ノコギリ)・砥石などの道具を売るお店が
何軒も出展しています。
亀岡は材木の集積地としても栄えましたが、愛宕山の近くなどに良い砥石の断層が
有ったので、砥石の会社も多いのです。【添付資料は砥取家のパンフレットです】
小さな砥石で「30万円」と書かれた砥石も有りました。

カンナの歯の細やかな調整をしながら、綺麗なヒノキの角材を削ります。
幅15Cm程で長さが1.8mほどの柱のような角材から、幅5Cmで長さが1m余りの薄い薄い
(向こうが透けて見えるほどに)削った鉋屑(屑とは言えない作品)を作ります。

会場内に幅70Cm程の左右と中間の厚みの計測ができる機械が置いてあり、参加者は
破れないように、「作品」を持って行き、係の人に計測してもらいます。
私が見ていたときに計っていた人は、とても薄くてヒラヒラそよぐように運び、
10ミクロン(マイクロメートル)と言われていました。
その会の優勝者の厚みは、4ミクロン(千分の4㎜。千枚重ねて4㎜)らしいです。
そして一部分だけでなく、均質に(均一に)薄く長くすることが要求されるので、
3ヶ所同時に計測されます。

帰って早速、砥石を出して来て鉋の歯を研いで手入れをしました。
比べるまでも無いのですが、気分だけは職人気分を味わいました。

日本の道具のレベルの高さ、職人さん自身の仕事への矜持、それらが合わさって、
維持されていく為にも、こういう会が続いていく事を期待したいと思いました。
自分達の仕事ではこれに習い「薄くても破れずに永ーい」仕事になれば良いなと
思います。

5件のコメント

  1. こんな大会があるのですね!私も職人の技を見るのが好きなので興味があります。一時、左官職人が壁を塗る動画を見るのに嵌っていました。

  2. 木のいい香りがしそうな会場ですね。亀岡に砥石の会社が多いとは知りませんでした。私の知人の大工さんで、お子さんに「かんな」という名前を付けられていた方がいたのを思い出しました。

  3. 私の父は不動産業だったので、宮大工の方がよく家に出入りしていました。その際、棚など色々なものを作ってもらい 器用だな~と思ってみていました。 :lol:

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